◆主要人物の年齢
暁 14歳
針葉 17歳
浬 15歳
紅花 13歳
紅砂 15歳
黄月 17歳
織楽 16歳
二十四節気の立春から一年が始まる世界のため、二月〜翌年一月で一年換算です。
◆二月(一話、二話)
・中旬、壬の大火
一日目……三津逃亡、暁避難、○○と出会う
七日目……暁と○○が上松領へ
八日目……針葉と浬が国守邸へ、その後上松邸へ
九日目……暁と○○が上松邸到着、○○死亡
十日目……三人が上松邸近くで出会う、坡城へ
十二日目……坡城到着
・下旬、暁が体調崩す、暁と紅花の口論
◆三月(三話)
・上旬、暁が小間物屋で働き始める
・下旬、花見(六話でひよが言及、針葉が客を連れて行ってツケをただにしてもらう)
◆四月(四話)
・上旬、針葉が刀の手入れ
◆五月(四話)
・中旬、暁が紅砂と境の地で香ほづ木購入
◆六月(五話)
・中旬、紅花と暁の店番
・下旬、夏至、雨呼びと祭り
◆七月(六話〜七話)
・中旬、芝居小屋で怪談(夏芝居)
・下旬、針葉が文身追加、アズメ売り
◆八月(七話〜八話)
・上旬、暁が刀奪還の依頼、織楽が壬の国史を取り寄せる
・中旬、織楽が土井と会う
◆九月(八話)
・上旬、土井が飛鳥へ遣い、惟道死去、針葉が刀を菱屋へ
・中旬、月見(十五夜)、烏が飛鳥へ、暁が香ほづ木売りに飛鳥行きの交渉
・下旬、雨呼び、土井の遣いが殺される
◆十月(八話〜九話)
・上旬、顔見世の役振り、土井が季春座へ、秋公演前日に織楽が家へ
・中旬、針葉が菱屋へ、月見(十三夜)
◆十一月(九話〜十話)
・上旬、飛鳥へ出立
・下旬、飛鳥の松川に到着、針葉と浬が巴屋へ(矢野が牟婁屋を張らせる)
◆十二月(十話〜十一話)
・上旬、暁が「ほたる」探し
・中旬、香ほづ木売りが巴屋へ、暁を探す者
・下旬、香ほづ木売りと再会、針葉が焦げた書き付け入手
◆一月(十一話〜十二話)
・上旬、小野家と上松家が穂垂るで会合、穂垂る焼失
・中旬、坡城へ出立
・下旬、坡城に到着
あまり話数を増やしすぎないという自主規制の末、元々の一年目の年末は二年目で回想という形を取っていました。この話は、元々の一年目最終話〜2-01の間の話を丸々追加し、2-01に回していた帰国エピソードに大幅に加筆したものです。
元々「夜降ち」の名が付いていたのは1-10〜11ですが、ワープロ時代から、一年目最終話のタイトルは「冬の夜降ち」だったので、迷わずこちらに持ってきました。
・段落1/その後の話
つくづくこの段落が無かった元々の流れは急だったなぁと。
・段落2〜3/女の子です
ようやく暁が手拭いを外します。
暁の性別判明エピソードは元々は帰国後の家シーンで入れていました。
暁は港という地域も筆下ろしの意味も知らないので、どうしてこのタイミングで浬にばらされたのかも分かっていません。
・段落4〜5/坡城へ
舟の上のシーンは元々2-01に入れていましたが、暁と話すのは針葉ではなく浬でした。
紅花に女だと知られたとき=1-02「玉串」の最後のシーン。
針葉は押さえ付けても歯向かってくるような元気のいい相手が好き。浬にきつく当たるのは、浬が何でも受け流してしまって手応えが無いためです。
元々の最終話「夜降ち」のうち、ほたる奇襲シーンを大幅に加筆、飛鳥での暮らしを丸々追加したものです。
タイトルは「ほのおのよる」。炎とは「火の穂」の意らしく、穂垂る、火、というワードが合致したため採用。
・段落1〜2/香ほづ木売りと再会
矢野が突然態度を変えたのは、香ほづ木売りが「あいつら三人」と「一緒に櫂持ちを雇った」と言ったため。1-10「異郷」で浬が申告した人数と異なることから、もう一人の存在に気付いたものです。
・段落3〜4/暁を追う影、針葉が追う影
何やら双方に動きが出てきます。
・段落5〜/ほたるにて
元々の流れをほぼ踏襲しています。
針葉が暁の命を救うのは1-01に続き二度目となります。
元々の最終話「夜降ち」のうち、飛鳥に向かうシーンに大幅に加筆、飛鳥での暮らしを丸々追加したものです。
ワープロ時代の旧夜明けは一年につき六話構成だったので、あまり話数を増やしすぎないという自主規制のため、話の進み方が急激だったんですよね……。
・段落1/滝まで
元々の流れをほぼ踏襲しています。
「土壇場破りでも〜」での暁の笑いは、針葉の短気を馬鹿にしたというより、それが決して成功しないことを知っているから。
暁はここで、自分の親の仕事とその正当性について知らなければならないという意思を抱きます。
・段落2〜3/飛鳥入り
段落2の鍾乳洞は、2013年の東北旅行で猊鼻渓と幽玄洞を訪れて以来、ずっと書きたいと思っていたシーンでした。猊鼻渓は明治まで隠されていう事実に創作意欲が掻き立てられたり、鍾乳洞と石灰岩質の渓谷がすぐ近くにあるというのが、考えれば当然でも盲点だったり。
段落3は元々の流れを汲みつつ大幅加筆。塵除け被りは別名姉さん被りです。
・段落4〜5/飛鳥にて
まるっと加筆。
切絵図は住宅地図のようなものです。
暁にも頑張らせてみました。
六年目を書き終えた後の推敲時に、元々あった「終籠」という話と入れ替える形で丸々追加した話です。
サブタイトル案は「渡りに舟」でしたが、待ってました感が強く(笑)訝しむ感じが出ないかなと変更。
・段落1/織楽
洗い張りシーンは終籠から引っ張ってきました。終籠にも暁の頼みを引き受けた織楽が結果報告をするシーンがありました。
暁を犬死にさせたくないけれど、共には行けない織楽。彼の肩腕には常に季春座があるのです。
・段落2/菱屋
十五夜の月見は九月(旧暦八月)、十三夜の月見は十月(旧暦九月)です。
史実に基づくと、虫売りの商売はお盆までだったそうな。
・段落3/パーティ結成
終籠でも暁が舟での北上を提案していました。流れとしては同じです。
終籠では針葉の裏仕事に家面々が関わりすぎていたので、軌道修正しました。
・段落4〜5/船出
黄月の嫌味や生きる覚悟云々は終籠の流れを汲みつつ。黄月が良い奴に見えてきてうろたえています。