元々の最終話「夜降ち」のうち、ほたる奇襲シーンを大幅に加筆、飛鳥での暮らしを丸々追加したものです。
タイトルは「ほのおのよる」。炎とは「火の穂」の意らしく、穂垂る、火、というワードが合致したため採用。
・段落1〜2/香ほづ木売りと再会
矢野が突然態度を変えたのは、香ほづ木売りが「あいつら三人」と「一緒に櫂持ちを雇った」と言ったため。1-10「異郷」で浬が申告した人数と異なることから、もう一人の存在に気付いたものです。
・段落3〜4/暁を追う影、針葉が追う影
何やら双方に動きが出てきます。
・段落5〜/ほたるにて
元々の流れをほぼ踏襲しています。
針葉が暁の命を救うのは1-01に続き二度目となります。
元々の最終話「夜降ち」のうち、飛鳥に向かうシーンに大幅に加筆、飛鳥での暮らしを丸々追加したものです。
ワープロ時代の旧夜明けは一年につき六話構成だったので、あまり話数を増やしすぎないという自主規制のため、話の進み方が急激だったんですよね……。
・段落1/滝まで
元々の流れをほぼ踏襲しています。
「土壇場破りでも〜」での暁の笑いは、針葉の短気を馬鹿にしたというより、それが決して成功しないことを知っているから。
暁はここで、自分の親の仕事とその正当性について知らなければならないという意思を抱きます。
・段落2〜3/飛鳥入り
段落2の鍾乳洞は、2013年の東北旅行で猊鼻渓と幽玄洞を訪れて以来、ずっと書きたいと思っていたシーンでした。猊鼻渓は明治まで隠されていう事実に創作意欲が掻き立てられたり、鍾乳洞と石灰岩質の渓谷がすぐ近くにあるというのが、考えれば当然でも盲点だったり。
段落3は元々の流れを汲みつつ大幅加筆。塵除け被りは別名姉さん被りです。
・段落4〜5/飛鳥にて
まるっと加筆。
切絵図は住宅地図のようなものです。
暁にも頑張らせてみました。
六年目を書き終えた後の推敲時に、元々あった「終籠」という話と入れ替える形で丸々追加した話です。
サブタイトル案は「渡りに舟」でしたが、待ってました感が強く(笑)訝しむ感じが出ないかなと変更。
・段落1/織楽
洗い張りシーンは終籠から引っ張ってきました。終籠にも暁の頼みを引き受けた織楽が結果報告をするシーンがありました。
暁を犬死にさせたくないけれど、共には行けない織楽。彼の肩腕には常に季春座があるのです。
・段落2/菱屋
十五夜の月見は九月(旧暦八月)、十三夜の月見は十月(旧暦九月)です。
史実に基づくと、虫売りの商売はお盆までだったそうな。
・段落3/パーティ結成
終籠でも暁が舟での北上を提案していました。流れとしては同じです。
終籠では針葉の裏仕事に家面々が関わりすぎていたので、軌道修正しました。
・段落4〜5/船出
黄月の嫌味や生きる覚悟云々は終籠の流れを汲みつつ。黄月が良い奴に見えてきてうろたえています。
六年目を書き終えた後の推敲時に丸々追加した話です。
・段落1〜2/土井
この話全体に言えることですが、遡って書いた話なので、後々繋がるネタを色々挟んでしまっています。うるさくならない程度に気を付けてはいるのですが。
本川は織楽の七つ上、片桐は八つ上です。互いに下の組だったときに、織楽が一方的に絡まれる形で仲良くなりました。
片桐に引き合わされたろくでなしの最たる者が、後に出てくる間地の医者です。
・段落3/菱屋
刀剣商(土井)の話と針葉の話、どちらも発信源は暁なのですが、異なる方向から同じ話が入ってくると信憑性が高く聞こえるものですよね。
走ってこその少年は実験的に入れてみました。また登場します。
・段落4/浬
この時点で浬は暁に対して二つの疑いを持っています。
・段落5/土井再び
ちょっと重たい話になってしまいました。
元タイトル「紅砂」。その欠片もない……なんというエアーマン。
・段落1/文身
逢引相手と別れたその足で彫らせたもの。
針葉はやっぱりサドでマゾだから、薬で痛みや腫れを緩和させることが腹立たしい。こう、サドマゾのポリシーが。
針葉と黄月は一番古い仲だが、それでも針葉の傷については深入りできない。針葉が子供時代のことをほとんど忘れ、文身をそれとは別ものとして捉えているから尚更。
・段落2〜3/暁の依頼
推敲時、大幅に書き直しました。
紅砂や浬が現れてからは少し軽めのノリで。
暁と浬がアズメに反応するのは、坡城に来て日が浅く、どちらも内陸国の出身だったため。
・段落4/織楽
推敲時、大幅に書き直しました。
織楽は何か食べているイメージ。
・段落5/浬
推敲時、大幅に書き直した結果、黄月が消えました。
「壬と飛鳥の和睦の話は表に出る話ではない」と言う浬自身も、それなりの家の出ということです。