六年目公開にあたって大幅に加筆した話です。
・段落1/薬を背負って小間物屋へ
耳から覚えきれず書状を盗み見て確認する暁。暁は視覚優位。
ただし、書状を見て読めることの価値にはまだ気付いていない。
値段の記憶も暗算も易々できるけれど、客応対はうまくいかないのが暁です。
・段落2/口入れ屋
人の増えた菱屋。
数々の手習いをこなしてきた暁、でもそれが特別なこととは気付かず、最終的に調理補助に落ち着きました。
・段落3/祭りへ
日常の話があまり耳に入らない暁、色恋話に飢えている紅花。
・段落4/祭り
祭りの風物詩は列挙。暁の目で詳しく描写するのは、空とか提灯とか木立とか、喧噪とは別のもの。
紅花の背姿に見る、祭りを楽しむ当たり前の少女。
暁はそちらへは行けない。そしてそれは針葉も同じ。
意地っ張りの暁を動かすには針葉のやり方が一番なんだけど、腕を強く引くのは次兄を思い出させる行為。
祭りのフレーズについては改めて。