東北旅行 2013/05/02〜06

re:Rの麻城せいやさんにご一緒いただいて東北巡りをしてまいりました。
今回は初岩手、初山形です。
思えば初めて東北の地を踏んだのは三年前、その時もせいやさんにご一緒いただいたのでした。

実は今年1月、私の職場で東北復興支援のための派遣者募集があり、応募するとともに、結果が出るまでのふた月、せいやさんには色々と相談に乗っていただいておりました。
残念ながら派遣はされなかったのですが(主に現職場の人事上の理由で。と思われる)。
西日本では下火になりつつある報道、応募の際に調べた被災地の状況、そして調べようにも出てこない情報、などが心にわだかまっていたこともあり、ではまた訪れよう! となった次第です。
とは言え大半は普通の観光レポですよー楽しんできた!



5/2(木) - 1日目
午後から休みを取って伊丹空港へ。
時間があるからと電車乗り継ぎで行ったら、満員電車の中で立ちっぱなし+エスカレーターの場所も分からず階段を駆け下り駆け上がる。
予想はできていたことですが予想以上に辛かったです。リムジンバスは偉大。
出発40分前になんとか空港へ辿り着き、離陸。
新幹線もテンション上がりますが、飛行機は格別ですね! 小学生みたいなこと言ってる自覚はある。
離陸前の最後の直線で、飛行機が突然本気出すじゃないですか。あれたまらん。遠くなっていく街並みもたまらん。ごつごつした日本アルプスも最高。山深い中にも人家があるのは執念を感じます。席は窓際に限る。
しかし間の悪いことに私は数日前から酷い肩凝りに悩まされており、頭痛に加え飛行機酔いでコンディションは悪めでした。
ですので、もしあればサロンパスをお手元に置いて読み進めてみてください。よりリアルです。嗅覚的に。

約1時間後には無事仙台空港に降り立ちました何これ寒い。
そして仕事帰りに寄ってくださった女神せいやさんとNewポチちゃんとともに南部屋敷というご飯屋さんへ。
ファミレスの例によってレジ脇にはお菓子類が置いてあるのですが、沖縄のものが充実していました。何故。
そして訪れる聖地〜せいやさんご自宅〜。
猫ちゃんに癒されつつ国賓級の扱いをしていただいてちょっとホンマ頭が上がりませんどうしよう。
せいやさんの未公開小説も拝読してきましたよ! ちょ、いきなり旅行のクライマックス(((( ;゚д゚)))
ご家族にもとっても親切にしていただきました!



5/3(金) - 2日目
〔陸前高田〕
岩手県へ入り、最初に向かったのがここ。最初に派遣を希望したところではなかったけれど、上司から「行ってみないか」と声掛けされたところでした。
一本松の近くには駐車できるスペースが整えられ、人の姿も多かったです。
道路には「津波 前方○km 後方○km」の標識が。
周りはほとんど瓦礫も撤去され、がらんとして、まるで元からこうだったかのような光景でした。
所々に残る廃墟のような建物、足元に落ちているPCキーボードの欠片、カーナビが示す過去の店舗名、そんなものしか震災前を彷彿とさせるものが無く、茫然と見るばかりでした。

本当にショックを受けたのは、近くにある斜め屋根の建物(元・道の駅)へ立ち寄ってから。
近くに小さな追悼施設があるのですが、その中には、道の駅の屋上から撮られた過去と現在のパネルが並んでいました。
家々と商店街、どこにでもあるような日常と、一本松の後ろには松原。今通ってきた道と同じ場所とは思えず、言葉を失いました。
その後、未来商店街で昼食をとり、飲食物を買いためて内陸部へ。



〔猊鼻渓〕
一関市にあるこちらの渓谷では舟下りを楽しむことができます。
実際は舟上り+舟下り。船頭さん(なんと女性もいる!)が棹一本で上流の景勝地まで連れて行ってくれます。
写真ではスケールが伝わりませんね(´・_・`)左下に小さく写っているのが人です。
なんと明治まで隠されていた渓谷だそうで、創作資料としても疼くものがありました。
復路では船頭さんが「げいび追分」を唄ってくれます。
全体的に、風が強くてめちゃくちゃ寒かったです。川が逆流するくらい。初夏や紅葉の時期は良さそう。冬はこたつ舟も出るそうです。



〔幽玄洞〕
な、えろいだろう?
猊鼻渓の近くにある鍾乳洞です。
見どころは化石。洞内でもココに化石が!と注意書きがされている一押しぶり。
でもあんまり分からなかったですが……。
入洞前の資料館のようなところに飾られていた、在りし日のフズリナ図がキモかったです。
鍾乳洞と石灰岩質の渓谷がすぐ近くにあるというのが、考えれば当然でも盲点だったので生かしたいな!

この日は岩手泊。金スマをだらだら見ていたところ、山本T晃アナのいじられっぷりとたれ目っぷりが自キャラのイメージに近くて滾りました。



5/4(土) - 3日目
〔中尊寺〕
……の駐車場が満車ぽかったので毛越寺でポチちゃんに留守番してもらい、2km弱の道のりをひたすら歩く私たち。
月見坂からの道はかなりの急勾配でした。
そして道々に現れる社、社、社。
広すぎて自分がどこを歩いているか分からなくなりつつも辿り着いた金色堂。
ん、どこが金色? と思ったら、堂in堂でした。
拝観券購入まではスムーズでしたが、金色堂の混雑は只事ではありませんでした。
ちなみに5/1〜5には春の藤原まつりが開催され、5/3には平岡祐太さんが義経役で来ていたそうな。
見たかった半分、混雑を避けられた半分。うーん。
奥の能舞台でも準備中でしたが、小道具の蝋燭の火が一瞬で消えていたのが印象的でした。諸行無常ってやつかしら。

〔毛越寺〕
中尊寺からてくてく引き返して毛越寺へ。
ここは過去何度も火災に遭ったため、現在は遺跡を見る場所。
跡地ばかりなので派手さはありませんが、池の周りをぐるっと歩くだけでもゆったりします。
写真は池を悠々と泳ぐよく分からないドラゴン。
毛越寺の駐車場では揚げたてかりんとうまんじゅうを打っていました。美味いよ! 通りすがりのやんちゃな感じのお兄さんが「美味いっすよ!」と声を掛けてくるくらい。
1個60円のまんじゅうを1個ずつ注文したところ、売り場のお兄さんは親切にも「1個おまけしておきますね〜。180円です!
みなぎる商人スピリッツ。すぐに訂正なさいましたが。笑

〔厳美渓〕
猊鼻渓と紛らわしい名前のこちらは、雄々しい岩場が素敵な厳美渓。
見てください、この碧色に轟く水を!
駐車場や土産物屋が集中する天工橋がメインの場所で、そこから上流に歩き橋を渡って戻る70分コースと下流に沿って歩く30分コースがありましたが、両方合わせて1時間で歩けました……よね?
ちなみにコースの半分は川から離れてしまいます。あれっ?
馬車での観光もできるようです。
天工橋付近では川に渡したワイヤーで団子を注文し、運ばれてくる「郭公だんご」が有名です。行列ができていました。

この日は山形泊。岩手⇔山形って斜め移動がしにくいらしく(´Д`;)地理のことも分からずリクエストしてしまってごめんなさい!
ホテルは満室でしたが、当日泊の電話やお客が引っ切り無しに来ていました。度胸あるなあ……。
夕食を取ったお店では、80代のおばあさまが結構な量の丼を平らげてらっしゃいました。



5/5(日) - 4日目



やあ皆! 今日も元気に諸行無常してるかい?
えっ、ここはどこかって? フフフ、モチのロン、決まってるじゃないか、山寺さ! 正しくは立石寺とも言うNE!
いいタイミングで来たね! ちょうど50年に一度のご本尊ご開帳中さ、寄っていきなよ!
ご本尊が置かれた根本中堂はブナ材でできてるんだけど、ブナって吸水しやすくて腐りやすいから建築に使われるのは異例なんだぜ! 凄いだろ?
ノンノン、ここから上るのはご法度さ、さあ並んで並んで!


〔山寺〕
何事も無かったかのように山寺です。
写真は根本中堂。50年に一度のご開帳のためか、ファンキーな坊主のいた場所から行列が始まっており、ここに辿り着くまで1時間ほどかかりました。人出は中尊寺より多かったと思います。
写真の左上に伸びている五色の紐はお堂の中まで伸びており、ご本尊の指に括り付けられていました。
紐を握ればご本尊と握手したことになるそうな!
芭蕉と曾良が色んな句を詠んだお寺らしく、随所に句碑や石像が置かれています。
いたるところで力こんにゃくが売られています。
ここの参拝ルートは縦に長く、山の斜面に沿って上へ上へ伸びています。登山です。






まじで!
やべえ、跡形もなく消えちまう!
登山口から1000段余り登って奥の院に辿り着きました。
煩悩は、108減ったところで底打ちになり、また増加して900くらいになりました。
登山途中には巨大な一枚岩があり、「仏に見えたアナタはHAPPY!」とかいう投げっぱなしの名所もありました。
今回はポチちゃんに乗せていただいての旅でしたので、移動時間のほぼ全てを創作談義に費やしており、裏話のネタ切れを起こしそうになると「もし○○が山寺を訪れたら」とかのもしも話を語りだす始末でした。もちろん私が。
更に進んだところにある五大堂からの景色は素晴らしかったです。
行列はまるで解消していませんでした。

下山してから何故か空腹感をまるで感じない私たち。
なるほどこれが煩悩だったのか……!

〔蔵王〕
ところ変わって蔵王です。
3年前も行ってみようとしたのですが、吹雪により断念した経緯があり。
今回も山形側からのルートが通行止めになっており、どんだけ拒否られてるの私と思っていたところ、せいやさんが宮城ルートから入りなおしてくださいました。
Σ女神……女神がおるでー!
写真はハイライン入口付近の雪の壁!
麓付近では道端にうっすら積もっていただけの雪が、突如本気を出しましたよ!
山頂付近は風が吹きすさんで寒かったです。
道々の木は、雪の重みで地面すれすれに幹が伸びていました。

そしてこの日もせいやさんご自宅へ。
ご自宅到着までの間、ここぞとばかりにご自宅ではできないようなキャラトークが捗る私たち。
たのしいですね、りょこうって!



5/6(月) - 5日目
せいやさんにお聞きしていた互いのキャラ混合の面白シチュエーション絵を、前日の夜にこっそり描いていた私。
ご自宅を去り際に贈り付けるというテロ行為にも関わらず、空港まで送ってくださるせいやさん。
出発までの時間は空港1階の、震災直後から空港再開までの道のりパネルを見て過ごしました。
しんみりしつつも、ふと気付いたら搭乗直前だったので、お別れもそこそこに走るお約束な私。
無事伊丹に着き、偉大なリムジン様に乗って帰りました。

3年ぶりに訪れた東北の地は、少し寒くて風が強く、桜の花はまだまだ見頃、遠くには険しい山の稜線が青く連なる、雄大かつ春の気配の漂う素敵なところでした。
そして訪れたそこここで「震災後」を目にしました。
西日本に住んでいると東北の様子があまり見えず、たまにテレビで見かけるのは「被災地」として特別に切り取られた場面が多くて、触れていいのか戸惑う話題だったりするのですが、観光中にお会いした方々はとても自然に震災のことを口になさっていて、3月11日から途切れず続く日々の上に今の日常生活を送ってらっしゃるのだと、当たり前のことに気付かされました。
もう18年前の阪神大震災だって、未だに公営住宅の期限切れや孤独死など、震災関連の話が続いています。「震災後」がはっきりと終わることなんて無いのかもしれません。
だからこそ息の長い支援が求められるのだろうと感じました。
色々なことを考えた5日間でした。
出発前には、観光で支援なんておこがましいとか、不謹慎だとか思ったこともありましたが、行って見て聞いて、自分の足で歩くことができて本当に良かったです。
せいやさん、大変お世話になりました! 有難うございました!!